無痛分娩と自然分娩の両方を経験した先輩ママへインタビュー <サマリー編>

このコラムを一言で説明
無痛分娩と自然分娩はどっちがいいのか?への経験談

1人目を無痛分娩、2人目を(進みが早すぎて間に合わず)自然分娩で出産した先輩ママへのリアルなインタビュー。実際に両方を経験したからこそ言える「痛みの差」や、産院選びのポイント、事前の体調管理の大切さを語っていただきました。想定外の自然分娩になったエピソードや、無痛分娩中の過ごし方のリアルな感想など、これから出産方法を選ぶママの「一番知りたかった答え」がここにあります。

【特別対談】無痛分娩と自然分娩、その真実を語り尽くす

出産方法を検討する際、「無痛分娩と自然分娩、実際どっちがいいの?」という疑問は、誰しもが抱くものです。
一般的には、1人目で自然分娩の痛みを経験し、2人目で無痛を選ぶケースが多いですが、今回のゲストはなんとその逆。1人目を「無痛」、2人目を「自然」で経験されたという稀少なエピソードを持つ先輩ママさんです。

「間に合わずに自然分娩になった」という衝撃の展開から、麻酔の効果を実感したリラックス体験まで、忖度なしのリアルな本音を伺いました。

先輩ママのリアルな体験から学ぶ、納得のいく出産選択

医師(Dr.永井)

今日は初のゲストということで、先輩ママさんに来ていただきました。実は、自然分娩と無痛分娩の両方をご経験されているということで、ぜひ詳しくお話を伺ってみたいと思います。よろしくお願いします。

ママ

よろしくお願いします。

医師(Dr.永井)

今、お二人のお子さんがいらっしゃって、7歳のお子さんの方を無痛分娩で、5歳のお子さんの方を自然分娩という……これ、普通は逆のパターンが多いんですけどね(笑)。最初は「無痛で行きたいな」という希望がもともとあったんですか?

ママ

そうですね。初めての出産ということで、やっぱり「怖い」という思いがすごく強かったので、「絶対に無痛で!」って思っていました。

医師(Dr.永井)

なるほど。やっぱり不安とか恐怖が最初に来たのがきっかけだったんですね。

ママ

そうです。誰に聞いても「痛かった」って言うじゃないですか。

医師(Dr.永井)

確かに(笑)。安定して痛いですよね。

ママ

「大丈夫だったよ」なんて言う人、一人も聞いたことがなかったので。医療として麻酔というものがあって、それが使えるんだったら絶対使いたいと思っていました。

医師(Dr.永井)

最初から無痛分娩一択だったと。病院もそれを基準に探されたんですか?

ママ

はい、最初から無痛分娩ができる病院を探して、そこに決めました。

医師(Dr.永井)

でも、不思議なことに2年後には話が変わって、2人目は自然分娩になっていますよね。これは計画的に自然にしたのか、それともバタバタしている間に自然になっちゃったパターンですか?

ママ

後者ですね。本当は2人目も無痛が良かったんです。

医師(Dr.永井)

でも、その話よく聞きます。タイミングが合わないと日本では難しいという……。

ママ

経産婦だったこともあって、1時間ぐらいで生まれちゃったので、間に合わずに自然分娩になってしまいました。

医師(Dr.永井)

めちゃくちゃ安産、超早かったですね! 1人目はどれくらいかかったんですか?

ママ

1人目は8時間くらいでした。

医師(Dr.永井)

じゃあ、そっちもそんなに長引いてはいないんですね。お二人ともスムーズなイメージですが、ウェイトコントロールとか運動とか、何か頑張っていたことはあるんですか?

ママ

病院が体重管理に厳しくて、「増やすのは10kg以内」と言われていました。あとは、とにかくめちゃくちゃ歩いていました。健診に行く時も3駅分くらい歩いたり、1日に2時間くらいずっと歩き続けたりしていました。

医師(Dr.永井)

やっぱり日々の努力が大事なんですね。筋肉がしっかりしているアスリートの方とかは、お産が上手だという話も聞きますし(エビデンスはなし)。インナーマッスルの使い方が関係しているのかもしれません。食事はどうでしたか?

ママ

初期はつわりで痩せちゃったんですけど、その後は野菜やフルーツを多めに摂ったり、葉酸サプリや鉄分を飲んだり。特別なことではないですが、健康的な食事を心がけていました。

医師(Dr.永井)

なるほど。では、その「間に合わなかった」という2人目のお産のエピソードを詳しく教えてください。

ママ

生まれる日の夜中の12時半くらいまで、何の違和感もなく普通に過ごしていたんです。でも、寝ようと思って横になったら、急に後ろから蹴飛ばされたような衝撃があって。「えっ、今のキック?」と思ったら、そこから急激にお腹が痛くなり始めたんです。前兆もなくて、いきなり「これは来るぞ!」という痛みでした。

医師(Dr.永井)

前駆陣痛とかなしに、いきなり本番が来ちゃったんですね。

※前駆陣痛とは
本格的な陣痛が始まる前に起こる、不規則な子宮収縮のことです。「お産に向けた練習」とも呼ばれます。本陣痛との違いは、痛みの間隔がバラバラで、しばらくすると治まってしまう点にあります。
今回のママさんのように、前駆陣痛がないまま一気に本陣痛(出産)へ進むケースは、特にお産の進みが早い「経産婦さん」によく見られる傾向です。

ママ

急いで病院に電話したら「経産婦さんだし、すぐ来てください」と言われて。12時半にタクシーを呼んで、1時前くらいに病院に着きました。その時点でもう激痛で。すぐに陣痛室に入れられて「もう出てくるね、麻酔をやってる時間はないと思う」って言われたんです。

医師(Dr.永井)

その病院は、計画無痛ではなく陣痛が来てから入れるタイプだったんですね。

ママ

そうです。子宮口が5〜6cm開いたら麻酔を入れましょう、という病院でした。

医師(Dr.永井)

1人目が無痛だったから、メンタル的には「自然でいけるのかな」っていう不安もあったでしょう?

ママ

ありましたね。「あの感じでしょ?」っていう期待値があったので(笑)。でも助産師さんに「もう出てきちゃうから!」って言われて、1時20分には生まれていました。覚悟を決める暇もなく、「とりあえず出すぞ!」という気合だけでした。

医師(Dr.永井)

すごい。やっぱりママさんは強いですね。では、1人目の無痛分娩の時のことも詳しく伺いたいのですが、麻酔を入れた後の痛みはどうでしたか?

ママ

無痛の時は、産む直前でも痛みのスケールのMAXを10とすると「2」とかでした。本当に楽になって、むしろウトウトしていました。

医師(Dr.永井)

リラックスして産めたわけですね。素晴らしい。最近、満足度の低い無痛分娩の話も聞くんですが、それは入れるタイミングが遅かったり、痛みが全然取れなかったりする場合が多いんです。ママさんの場合は大満足でしたか?

ママ

大満足でした。午前10時半くらいに診てもらった時は子宮口が7cmくらい開いていて、その時は痛みが強くて吐き気もすごかったんです。でも11時ごろに麻酔を入れてもらえたら、痛みも吐き気もスッと治まって。

医師(Dr.永井)

痛みで吐き気が来るタイプだったんですね。麻酔でそれが治まったと。

ママ

そこからはお昼ご飯も食べられましたし、3時間くらいはウトウトしたり、YouTubeを見たりして過ごせました。気持ちの余裕が全然違いましたね。友達に「無痛、めっちゃいいよ!」ってLINEしまくっていました。

医師(Dr.永井)

(笑)。自分でボタンを押して麻酔を追加するシステムでしたか?

ママ

私の方は、痛くなったら助産師さんを呼んで追加してもらうシステムでした。

医師(Dr.永井)

なるほど。今は自分でボタンを押して、一定時間内なら安全に追加できるPCA(患者さん主体でコントロールする鎮痛)というシステムもありますが、『助産師さんを呼ぶ形式』だったんですね。日本人は「また呼ぶの悪いな」って我慢しちゃう人も多そうですけど、そこはどうでしたか?

ママ

「みんな耐えてるのかな」とかは思いましたけど、ちょこちょこ見に来てくれたので、その時に声をかけていました。

医師(Dr.永井)

最後、いきむ時はどうでしたか? 麻酔が効きすぎるといきみづらくなることもあるのですが。

ママ

そうなんです。2時半くらいに少し痛みが強くなってきて、いきんでみたんですけど、なかなか力がうまく入れられなくて。結局、助産師さんにお腹を押してもらって吸引分娩になりました。でも、その間も痛みは全然なかったです。

医師(Dr.永井)

無痛分娩は鋭い痛みは取れますが、押されるような「圧」は残ることが多いんです。でも吸引になっても、それは「出し方が変わっただけ」でゴールは同じですからね。結果、両方を経験されて、もう一回産むならどっちですか?

ママ

「無痛」がいいです。絶対。友達にも絶対無痛を勧めています。「歯を抜く時に麻酔するのに、なんでお産の時はそのまま行くの?」って(笑)。

医師(Dr.永井)

まさにその通りですね。麻酔の薬も、実は歯医者さんで使うものと仲間だったりするんですよ。最後に、これから出産を控えているママさんたちにメッセージをお願いします。

ママ

個人的には『本当に無痛はいいよ』と言いたいです。経済的なことや不安もあると思いますが、デメリットばかりを見て怯えるのではなく、不安なことに対して、自分で調べて、メリットもしっかり見て、検討して頂く余地を持って欲しいと思います。それが、すごくいい出産体験に繋がると思います。

医師(Dr.永井)

素晴らしいメッセージをありがとうございました。

インタビューを終えて

無痛分娩と自然分娩、両方を経験したからこそ語られた「歯医者の麻酔と同じように、お産でも麻酔を使っていい」という言葉には、非常に重みがありました。
間に合わずに自然分娩になったとしても、それはママの身体がしっかり準備できていて、赤ちゃんが元気に降りてきた「嬉しい誤算」でもあります。大切なのは、どちらの方法になっても後悔しないよう、自分で情報を集めて納得して選択すること。

今回のインタビューが、皆さんのバースプランを考える上での大きなヒントになれば幸いです。

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動画出典: 「無痛分娩も自然分娩も経験した先輩ママへインタビューしてみた!」

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プロフィール

Profile

永井 遼太郎NAGAI RYOTARO

M.D. 麻酔科医

経歴

  • 獨協医科大学 卒業
  • アメリカ医師国家試験(USMLE)合格
  • 帝京大学麻酔科 入局
  • Maimonides Medical Centerにて
    アメリカ式の麻酔科研修を4年間受ける

資格

  • アメリカ麻酔科専門医

獨協医科大学を卒業し、故郷の千葉で初期研修を受ける。

ニューヨーク州ブルックリンにある、Maimonides Medical Centerにてアメリカ式の麻酔科研修を4年間行う。

その際、人生で初めて無痛分娩に触れ、快適に分娩が出来るという素晴らしさを知る。

当時2016年、日本とアメリカでは、無痛分娩率に10倍以上の差があるという事実を知り、衝撃を受け、今の自分に出来ることはないかと思い、2021年より、インスタグラムにて無痛分娩に関する投稿、オンライン講演を開始。

2024年からはさらに活動を本格的にするため、Youtubeチャネル『無痛分娩ビレッジ』をスタート。

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