脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(CSE)って何?

このコラムを一言で説明
東京都の助成金条件にある「CSE」って何?2つの麻酔のいいとこ取り!

東京都の無痛分娩助成金の条件に含まれる「CSE」とは、日本語で「脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔」と言います。呪文のような名前ですが、簡単に言うと「即効性のある麻酔」と「持続性のある麻酔」を組み合わせたハイブリッドな手法です。痛みを素早く取り、かつ最後まで快適さを維持できるのが最大の特徴。専門医が、針の役割や薬の仕組みを「砂浜のトンネル」などの比喩を用いて、専門知識がなくても分かるように解説します。

「東京都の助成金をもらうには、CSEという方法じゃないとダメなの?」

2025年10月から始まった無痛分娩の助成金制度。その公式ガイドを開いて、あまりに難解な医学用語に驚かれた方も多いはずです。特に目を引くのが、対象となる分娩方法に記載された「CSE」という3文字。
これ、実は私たちが日夜行っている、非常に信頼性の高い麻酔法のことなんです。
漢字で書くと「脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(せきずいくもまくかこうまくがいへいよいますい)」……。目が回りそうな名前ですが、中身を知れば「なるほど、だから安全で快適なんだ!」と納得いただけるはず。
今回は、助成金の条件にもなっているこの「CSE」の正体を、噛み砕いてお話しします。

まえおき

東京都が2025年10月より開始した無痛分娩の助成金について調べてみると、東京都の福祉局が公式に出している条件の中に分娩方法という項目があります。

(上記画像credit; 東京都の福祉局websiteより引用.
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/mutsubunben/subsidy)

ここではこの呪文みたいに長い医学単語について、可能な限り分かりやすく説明してみたいと思います。

『CSEとは、SpinalEpidural

CSE (脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔)とは

もっと理解したい方は、以下の説明をご覧ください。

CSE(脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔)

を2つの麻酔にカラフルに分解してみます。医療関係者以外の方は色だけ追って頂ければ十分です。なんだか、2種類の麻酔をするんだなぁという理解で充分です。

Combined Spinal Epidural の略になります。

ここで Spinalは脊髄くも膜下麻酔、Epidural は硬膜外麻酔のコンビ(Combined)を指します。

(分かりやすさを優先するため、Anesthesia(麻酔)という言葉はここでは省略しています。Ex. Spinal Anestehsia)

このSpinalの中身を2ステップに分けると、

まず、①硬膜に針で穴を開ける。そして、②薬を注入することです。いわゆる、注射のプロセスと同じで、針で皮膚と血管に針を刺して、穴を開けて、薬を注入するイメージです。それを背中の奥で、血管の代わりに、硬膜という脊髄を覆う膜に針を刺しています。どちらも、プツッと薄い膜に針を開け、中にピュッとお薬を注入してます。

では、Epidural の中身も2つに分けてみます。

こちらは、①針で背中の皮膚に穴を開ける。そして、②針の中に細いチューブ(カテーテル)を進めて、背中の奥に置いてきます。海の砂浜で山を作って、その端と端にトンネルを開通させるイメージです。背中の奥にある空間(硬膜の手前にある空間)に向けて、外側から針を進めて、トンネルを開通させていきます。僕らは手の感覚だけでそこに到達したかを確認しますので、動かないで頂けると嬉しいです。ターゲットが動くと当然、難易度が上がります。

ここまでのお話をまとめると、

CSE=SpinalEpidural硬膜に針で穴あけ+薬の注入Epidural

となります。要は2つの麻酔法を組み合わせたものだと理解してください。

⇨DPEについて知りたい方はこちらへ。

硬膜穿刺硬膜外麻酔法(DPE)って何?

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プロフィール

Profile

永井 遼太郎NAGAI RYOTARO

M.D. 麻酔科医

経歴

  • 獨協医科大学 卒業
  • アメリカ医師国家試験(USMLE)合格
  • 帝京大学麻酔科 入局
  • Maimonides Medical Centerにて
    アメリカ式の麻酔科研修を4年間受ける

資格

  • アメリカ麻酔科専門医

獨協医科大学を卒業し、故郷の千葉で初期研修を受ける。

ニューヨーク州ブルックリンにある、Maimonides Medical Centerにてアメリカ式の麻酔科研修を4年間行う。

その際、人生で初めて無痛分娩に触れ、快適に分娩が出来るという素晴らしさを知る。

当時2016年、日本とアメリカでは、無痛分娩率に10倍以上の差があるという事実を知り、衝撃を受け、今の自分に出来ることはないかと思い、2021年より、インスタグラムにて無痛分娩に関する投稿、オンライン講演を開始。

2024年からはさらに活動を本格的にするため、Youtubeチャネル『無痛分娩ビレッジ』をスタート。

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